パニック障害になったきっかけ②
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今回はそれから2年後のお話です。
私はそのブラックな会社を退職し、個人事業主として自宅で仕事をはじめていました。
退職したことや個人事業になったことはパニック障害とは直接関係はなく、ただ自分がやりたいことが見つかり、それが個人で行うような仕事だったっていう理由です。
独立して1年目は本当に仕事が増えず、生活が苦しかった・・・
毎日お財布の中の小銭を数えて買い物に行ったり、レジで1000円札を渡す手がプルプル震えたり、そんな生活を送っていました。
でも独立して2年目。
本当に運がいいことに大口の取引をいただき、急にそれはそれは忙しい毎日を過ごすようになりました。
お金のほうもとりあえず生活するには困らない程度の収入がありました。
そんなある日。
電車に乗ってお客様の会社に向かっていたところ、なぜか駅と駅の間で電車がストップ。
『信号停止しまーす。しばらくお待ちくださいー』
電車に乗りなれない田舎者の私は、そうかそうかと納得し、読んでいた本に目を戻しました。
その時です。
ドクッ・・・ドクッ・・・・
あ、あれ・・・?
なんかこの感じ・・・
真っ白になっていく視界・・・
全身から噴き出してくる汗・・・
どんどん早くなる心臓の音・・・
そうです。
2年前に高速道路で味わった、あの恐怖がやってきたのです。
聴いていた音楽のボリュームを上げ、持っていた水を飲み、ぎゅっと目をつぶって治まるのを待ちました。
その時間がどれだけ長かったか。。
自分では10分くらいかかっていたような気がしますが、実際は2~3分のことだったのかもしれません。
やっと電車が動き出し、私は次の駅で下車しました。
さて、どうする・・・?
でもお客様との約束があるから、行かないわけにはいかない。。
朦朧とする意識の中で、そんなことを考えていました。
今の自分だったら『すみませーん。体調悪くなっちゃっていけなくなりましたー』って普通にいえるんですが、その時は『 行かなきゃ!!(使命感 キラーン)』みたいになっちゃってたんですね。
『すみません。。ちょっと時間に遅れそうです。。本当に申し訳ございません。。』
と涙目でお客様に電話をかけ、電車に乗っては降り、乗っては降りを繰り返し、なんとかお客様の会社に伺ったのは約束の1時間後でした。
幸いお客様からお𠮟りをいただくことはなく、無事仕事を済ませた私。
帰りも同じように、乗っては降りを繰り返しながら、なんとか家に帰り着いたのでした・・・。
続きます。